ノミ・ダニ予防をしましょう!

3月頃からどんどん暖かくなってくるとノミやダニが活動し始めます。
地域や環境によっては冬場でもノミ・ダニは活動しているので、ノミによるアレルギーや皮膚炎などの皮膚トラブル、ダニによる恐い病気を未然に防ぐため、のみ・ダニ予防をしましょう!!

ノミとは・・・

犬猫に寄生するノミは数種が知られています。
普通に認められるのはイヌノミとネコノミの2種で、イヌ・ネコに多く寄生しているのはネコノミです。
ノミは様々な病原体を媒介します。また、人間にもうつり、痒みや発疹などが出ます。

  • 体長は2~3mm程度
  • 黒っぽく見えます
  • 動きは素早いです

ノミのライフサイクル

犬や猫に寄生したノミの成虫は、24~48時間後にその体の上で卵を産みます。卵は身体から落下して、ペットの寝床やカーペット、畳などでふ化。成虫となり、再びペットに寄生します。
そして、その成虫がまた卵を産み落とし・・・。これが何度も繰り返されるのです!
身体にノミがいる時は、ノミの卵や幼虫、サナギがそれぞれ成虫の10~20倍も存在するといわれます。

ノミのライフサイクルが循環するには、室温が13℃もあれば十分!!
(メリアル・ジャパン株式会社資料参照)

ノミが寄生しやすい箇所

ノミが寄生するとノミの唾液の中に含まれる成分がアレルギーを引き起こし、ひどい痒みを感じ体をしきりになめたり、かんだり、皮膚を引っかいて傷をつけたりもします。また、脱毛したり皮膚に小さな発疹が出ることもあります。

<要注意!!>
  • お散歩でお外に行く。
  • 他のワンちゃん、ネコちゃんとの接触がある。
  • 草むらに入ってしまう。
  • 野良ネコちゃんがお庭に入ってくる。
  • お外で飼っている。
  • ☆室内で飼っていても、人が外からノミを持ち帰ってしまうこともあります!
  • ☆子イヌや子ネコの場合、ノミに大量に寄生され、吸血されると貧血をおこす危険性もあります!

ノミの見つけ方

  • ノミ取り用のくしで毛をとくと、ノミやノミフンが引っかかってきます。

  • 毛をかき分けたときにノミがはしっている。

  • 毛をかき分けると黒いツブツブがたくさんある(ノミフンです)

  • ノミフンはみずに濡らすと赤茶色になります。(吸った血液が混じっているため)

ダニとは・・・

ダニ類はクモ類に近縁の動物です。
ダニはイヌやネコだけでなく、人間にも恐い病気を媒介することがあります。

  • 体長は数mm~最大で1cm程になります
  • 黒っぽく見えます

ダニは吸血すると、メス成ダニは吸血前の体重に比べ、100倍にもなるといわれています。

マダニのライフサイクル

寄生と吸血により、恐ろしい病気の原因になるマダニ。その危険性は吸血開始から48時間以降に高まります。
公園や河原など、少しでも緑が多い場所に近づくときにはマダニに注意してください。
(メリアル・ジャパン株式会社資料参照)

マダニが寄生しやすい箇所

特に頭や耳、眼の縁やお腹、足の指の間や背中など。

ダニが寄生し、吸血を行うとその部分に痒みや刺激が生じ、動物が落ち着かなくなったりします。
四肢の爪の間に寄生した場合には、歩行が困難になることがあります。
また、マダニが媒介する怖い病気に「バベシア症」というものがあります。バベシア原虫が赤血球に寄生、破壊することによる貧血、発熱、食欲不振や黄疸などが見られ、死に至ることもある恐ろしい病気です。
もし、マダニを発見しても、決して無理に取ろうとしては行けません。マダニの顎体部が皮膚に残ってしまったり、化膿、病原体をペットにうつしたりするので、見つけたらすぐに動物病院へ行きましょう。

SFTSについて

・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは

2011年に中国で報告されたマダニがうつす新しい病気です。2013年には日本国内での感染・罹患が報告されています。
現在、治療に有効なお薬やワクチンはありません。
わんちゃんねこちゃんにうつり、わんちゃんねこちゃんから人にもうつります。

死亡率が約14%の怖い病気です!

出典:国立感染症研究所ホームページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

一年中うつされる可能性があります!

出典:国立感染症研究所ホームページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

西日本で多くみられる病気です!

出典:国立感染症研究所ホームページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

マダニのいる場所

マダニから身を守るには?

発症すると

38℃以上の発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血いずれか)、血液検査の数値の異常(血小板減少、白血球減少、肝数値上昇)他に明らかな原因がなく集中治療を必要とする事もあり最悪の場合死に至ります。色々な病気と見分けがつきづらい病気です

注意する事

わんちゃんねこちゃんの散歩が終わったら必ず体表をチェックしましょう。
マダニが吸着するまでには時間があるので、吸血前に見つけられる可能性があります。
吸血中のマダニを見つけられた場合は無理に取ろうとせず当院にご相談下さい。

ダニの生態

ツメダニ

脚に大きな爪をもつツメダニは肉眼ではほとんど見えません。ツメダニが寄生するとフケが多くなり、被毛の光沢が失われます。病態がすすむと脱毛が見られることもあります。
イヌでは激しい痒みがみられますが、ネコではフケが増える程度です。
イヌ・ネコ以外にもウサギなどにも寄生します。人がこのダニに刺されると強い痒みや痛みがあります。
ツメダニに感染している動物と接触をさせないことが大切です。

ミミヒゼンダニ

主にイヌやネコの耳介内に寄生します。強い痒みがあるので、頭部をさかんに振ったり、耳をかく動作を繰り返したりします。また、黒色の耳垢がたまります。
イヌ・ネコ以外にもフェレットにも寄生します。
直接接触感染するので、、感染している動物には近づけず、接触させないことが大切です。

ノミ・ダニの予防

  • 予防薬を定期的に与える
    (予防薬には背中に垂らす液剤のスポットタイプ、飲み薬、おやつタイプ(犬のみ)があります)
  • ノミやマダニの生息地へ入らない
    (草むらなどは避ける)
  • ☆ノミを駆除して体にノミがいなくなっても、生活している環境からノミを駆除しなければ、また寄生してしまいます。
    屋内では動物の体から落ちたノミの卵が畳の中や、絨毯の中などに残っています。
    しっかり清掃をしましょう!!
  • ☆ノミやマダニは1回駆除してしまえば安心・・・ではありません!
    生活環境にノミやマダニは潜んでいます。
    継続して予防し続けることがとても大切です!!